【一覧に戻る】
農業体験学習のすすめとポイント

生産から加工・販売までの新しい酪農の姿
―― 消費者と酪農を結ぶ夢を実現

埼玉県日高市
加藤 忠司さん

 埼玉県にある加藤牧場では、生乳生産を基盤として「自分で行動し努力すること」をモットーに、新鮮な乳製品を消費者に提供する酪農経営を実践しています。

1.意欲が生み出す経営体質

昭和44年に現在の日高市に移転。広々とした環境のなかで酪農を営む

 有限会社加藤牧場のある埼玉県日高市は、東京都心から40km圏内、県西部に位置します。市内には曼珠沙華の名勝地として有名な巾着田や、1,200年ほど前に建立された高麗神社があり、多くの観光客で賑わいます。

 加藤牧場は、昭和29年に現在の代表取締役の加藤忠司さんの父が、1頭の乳用子牛を購入したことに始まります。当時は所沢市にありました。忠司さんが父親に代わって酪農を引き継いだのは、大学在学中の昭和40年のこと。6頭から飼育管理を始めました。その後昭和44年に宅地化が急速に進んだため、現在の日高市に移転しました。

 忠司さんは牛が好きだったことから、酪農を継ぐことについての抵抗はありませんでした。その後独学で人工授精師の資格を取得し、育種や牛群改良に力を入れ、自分の目で判断した牛を直接導入するようになりました。

 平成4年に有限会社を設立して従業員を雇い入れ、県下で最大規模の経産牛(注1)頭数にまで経営を拡大しました。これまでのつなぎ飼いをやめ、フリーストール牛舎(注2)とミルキングパーラー(注3)などの近代設備を導入し、効率的な経営に努めています。

高品質の牛乳・乳製品をつくるため、牛群の改良に力を入れている

 その後も牛乳加工プラントと直売所を整備し、酪農を始めたときからの「自分で搾った、ほんとうにおいしい牛乳を消費者に提供したい。自分の手で直接販売したい」という夢を実現させました。

 このような経営努力が評価され、日高市の認定農業者(効率的で安定した魅力ある農業経営をめざす農業者を市町村が基本構想に照らして認定する)第1号に選ばれました。

 また、加藤牧場では酪農が好きで意欲のある若者を計画的に採用し、現在は家族を含めて酪農部門4名、加工販売部門6名が協力して牧場を運営しています。ほかにパート10名、合計20名で全部門をまかなっています。なかでも基本となる酪農部門は、忠司さんと奥さん、牧場の管理責任者でもある忠司さんの甥と社員1名の計4名で担当しています。そしてこの4名の労働力と経産牛180頭が生み出す生乳の年間生産量のおよそ10%が加工部門に振り向けられ、担当する16名の新しい仕事を生みだし、さらなる付加価値を加わっていくしくみです。


▲このページトップ 【一覧に戻る】
 
このコンテンツのすべての画像、文字データについて無断転用・無断掲載をお断りいたします