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農業体験学習のすすめとポイント

地域の農業とお茶産業を学ぶ
――生き方指導の一環としての茶栽培と茶産業学習

静岡市立美和中学校
豊かな緑と茶畑に囲まれた美和中学校

 駿河茶発祥の地にある静岡市立美和中学校では、生徒の「生き方指導」の一環として校庭の一部に茶畑をつくり、お茶の栽培やお茶に関するさまざまな学習をとおして、そこで働く人々の思いやお茶の意義を学んでいます。

1.豊かな緑と茶畑に囲まれた中学校

駿河茶の発祥地・美和

 美和中学校は、静岡市内を流れる阿倍川と足久保川の合流地点で、茶畑と緑豊かな葵区足久保にあります。生徒数は313名、職員数25名の中規模校です。

 足久保地区は駿河茶発祥の地として知られ、茶の栽培を中心とした古くからの専業農家が多く、茶の生産や文化が生徒の身近に存在する地域です。学区内は、昭和50年代に静岡市のベッドタウンとして宅地造成や大規模公営団地の建設が進み、急激に人口が増えました。その結果、急速な都市化のなかで、生徒の家庭環境や価値観に大きな変化が見られるようになりました。

 「友愛・自立・追求」を校訓とし、生徒の実態や保護者・地域社会の要請、教師の願いを踏まえ、「心温かで、正しく判断でき、自ら高める生徒」と学校教育目標を定めています。具体的には、豊かな知性やまわりの人やものに対する思いやりの心にあふれ、どんな状況や事態でも、おごらず、くじけず、自己の責任で問題を正しく判断し、友と協力して問題を解決すること。その過程で、よりよい自分をつくりあげていこうと努力する生徒を育成するものです。

 美和中学校では、「生き方指導」の一環として、お茶に関する学習活動を重視し、生徒のよさ、教職員のよさ、地域のよさを引き出しながら、特色ある学校づくりを行なっています。

校庭に茶園をつくる

 駿河国栃沢(現静岡市)に生まれた鎌倉時代の高僧聖一国師(1201〜1280)は、留学先の宋(中国)から帰国する際に、茶の実と仏書千余巻を持ち帰りました。茶の実は郷里に近い駿河足窪(現在の足久保地区)の地に植えたと伝えられ、これが駿河茶の始まりといわれています。

 地域固有の文化を学校生活のなかに取り入れ、大切に守っていくことを目的に、PTAの協力のもと、昭和61年に校地内に860m2の茶畑をつくり、「勤労の園」と名付けました。お茶の初摘みは、2年後の昭和63年5月でした。当初は、学校行事として茶摘みなどを行なっていましたが、現在は「総合的な学習の時間」を使って、お茶に関する学習活動を行なっています。全国第1位の栽培面積と荒茶生産量を誇る静岡県内でも、校内に茶畑を持つ学校は珍しいそうです。


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