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はじめに

農業高校のイメージを変えた体験入学
──「阿波農まるかじり」とは

三橋 和博
徳島・阿波市教育研究所(前吉野中学校教諭)

2.人は食を失っては生きていけない

 「阿波農まるかじり」を体験した後の生徒の感想を、次に紹介しよう。

 「阿波農まるかじり」に参加して、私のもっていた阿波農業高校のイメージが、まったく違うということに気づかされました。私が最初イメージしていた阿波農業高校は、野菜を育てるばかりだと思っていました。しかし、実際は畜産や野菜を育てるばかりでなく、いかにおいしく育てるかなど、科学的にきちんと分析され実践されているので驚きました。そして、その内容の深さにまた驚かされました。

 私が受けた講座の中に、「酵母について学ぼう」という講座がありました。そこでは微生物によって、食物がおいしくなることについて学びました。とても勉強になり、楽しかったです。

 また、どの先輩も優しく接してくれて、とても嬉しかったです。そして、特に農業のすばらしさと大切さを学びました。人は食を失っては生きていけません。「人は土からはなれて暮らすことはできない」というのが、とてもよくわかりました。「阿波農まるかじり」で学んだこと、体験したことを生かして、これからの生活に結びつけていきたいです。そして、日々の食事に感謝し、生活していきたいです。また、自分の将来に向けても農を基本とした生活を参考にして、もっと進路について深く考えたいです。

 最初に紹介した手紙のように、この体験講座によって、進路選択の幅を広げた生徒もたくさんいた。生徒を対象にしたアンケートの結果によると、72%の生徒が、この体験入学を進路選択の参考にすると答えている。そのほかにも、阿波農高に対するイメージや、農業に対する意識が変わったり、食の大切さを理解し、家の農作業を積極的に手伝う者まででてきた。

 また、農高生の側も、講座を自分たちで運営することを通して、農高生自身が成長したという。


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