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はじめに

農へのいざない
――体験学習の大切さ

蕪木 豊

2.農の営みへの回帰が意味するもの

都市近郊で人気を呼んでいる市民農園

 科学技術が発達し、高度技術化、情報化の社会のなかで、人々の生活は次第に自然から遠ざかり、人の心もみずみずしい人間らしさが失われ、乾燥したものとなってきています。これまで考えられなかったような残虐かつ凶悪な事件が多くなり、恐ろしいことに犯罪の低年齢化も進んでいます。

 そんななかで、都市近郊では、家庭菜園の人気が高くなっています。市民農園、ふれあい農園、レクリエーション農園などという名称の貸し農園が希望者でいっぱいで、順番待ちの状況のところも多くなっています。

 なぜ、人々は「農」に惹かれるのでしょうか。それはただ安全で、安心できる食べものをつくりたいというだけでなく、戸外に出て、自然を相手に土や水や光とふれあいながら、自分自身の手で自分が食べるものをつくる人間本来の営みに帰るという欲求から出たものではないかと思います。いわば、人間の原点への回帰、自然への回帰といえましょう。

 とくに、都市化の進展する時代のなかで、机上の学習やテレビ、パソコン、ゲームと、ほとんど戸外ですごす時間の少なくなった若い人たちに、自然を相手にした「農」の営みのすばらしさに気づかせたい。とりわけ、これから人生の首途に立つ、多感な時代にある中学生にそうした魅力を発見させたい。それが我々の願いであります。

 そんな思いで中学生を指導いただいている先生方のお役に立てればと、この冊子をつくりました。


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