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(5) 連携してここまで高めた小学校の「総合的な学習」と農高の教育力
(6) 生活文化の語り部・農村の高齢者
(7) 教育にとっての家畜の活用
出典 『農業教育』63号 2001年 12月号
 日本の北の端に近い北海道名寄市で、18年前から農業高校と近くの小学校が連携学習を続けている。農業高校の生徒が先生になって小学生を対象に、動物教室、草花教室、カボチャ教室、水稲教室、料理教室を開いているのだ。
 この連携学習は、小学生には本物と触れあえる得難い体験学習となり、また農業高校生にとってもやる気や自信、学習の深化、さらにはお互いの心の交流など願ってもない教育効果を生んでいる。今求められている「生きる力を育てる教育」が、そこでは生き生きと展開されている。
 来年から正式にスタートする「総合的な学習の時間」の先取りともいえる取組みを長年にわたって行なってきた名寄農業高校(以下名農)と名寄東小学校(同東小)の連携学習を紹介しよう。

1 豊かな環境にある意欲的な両校

 名寄市は北海道北部に位置し、年間寒暖差が60度を超え、ダイアモンドダスト、サンピラー(太陽柱)という自然現象でも知られている。名寄盆地の真んなかにあって、農業が基幹産業の自然豊かな街である。
 東小は、市の住宅街にあり、児童数227名、学級数11学級。保護者の職業は会社員、農協職員、公務員などであり、農業は1人もいない。 
 カラマツ材をふんだんに使った校舎は多目的スペースを持つオープンスクールで、併設されているコミュニティーカレッジのお年寄りたちとの合同学習も盛んだ。また、ノーチャイム制、授業参観のオープン化なども取り入れ、地域のコミュニティスクールを目指す意欲的な学校である。
 一方、名農は、東小から歩いて20分の位置にあり、生徒数は143名(男子106名、女子37名)。生産科学科と酪農科があり、酪農科の1年生は隣接する寮に全員入ることになっている。寮には、遠隔地からの生徒も入り、現在、道内以外に東京と静岡からの生徒も入っている。
 保護者の職業はほとんどが農業で、卒業後の進路も進学も含め農業関係がほとんど。農場も含めて学校敷地が53haと驚くほど広大で、本格的な農場を持っている。

2 18年前の料理教室に始まる

 両校の連携学習は、昭和58年(1983年)、名農の生活科学科3年生が東小6年生を対象に料理教室を開いたのに始まる。そのころ名農では、物事に対する興味、関心、好奇心などが乏しく、消極的な生徒が増えていたことから、生徒に「生活感を持たせ、生きる力を育てる」ためにどうしたらいいかと考え、生徒が先生になって教える教室へとたどり着いたのだという。
 そして、生活改善班の5名が先生になって、東小6年生を対象に「子ども料理教室」がスタートした。2年目からは、「農業高校ならではの教室を開催しよう」という生徒の発案によって、「カボチャ栽培から料理まで」を実施。3年目からは小学生、中学生を対象に「ジャガイモ教室」も試みた。
 平成5年(1993年)からは、1年から6年までの全学年で取り組むことになり、今日まで続いている。全学年で取り組むことを決めたのは、平成14年度(2002年度)から始まる教育課程の再編成の動向を受けてというから、早い段階から見通しを持って準備してきたといえよう。
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