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農の魅力を感じさせられた

 亀岡市立別院中学校の名を知ったのは、毎年、当会で実施しているアンケート調査票の審査中に農業体験学習の取組み状況が濃密であったためである。ホームページで探したら、すぐに見つかった。米作り、野菜作りを全校生徒で取り組んでいる。どんどん深みにはまってしまい興味は尽きず、気にはなったが、その時はここでページを閉じたものの、それでも別院中学校はかなり気になる存在であった。

 年度が替わり、今年度は農業体験学習に取り組んでいる中学校を取材し中学校の先生方に読んでもらえるテキストを編集することとなった。

 気になっていた別院中学も企画検討委員会で農業体験学習に活発に取り組んでいることから取材することとなった。校長室に案内されて、校長先生のパソコン操作で農業体験学習の説明を受け概ね別院中学の取組みは理解できたつもりでいた。各学年担当の先生方に入れ替わり説明していただいた。その後、校長先生に農園を案内していただき、中学に自前の乗用トラクターがあること、校長先生自ら愛用していること、野菜の植付け適期に天候不順等で生徒が対応できない場合は先生がたあるいは地域の支援者がお手伝いしていることなどを、そっと聞いたような気がする。

 休み時間に生徒会の「農園部」の部長、副部長他3人の話が聞けた。生徒達はおしなべて農園が大好きのようである。嫌いであれば30年以上も農園活動が継続することもなく、別院中学は、農業体験学習の影響か生徒達は明るいあいさつ、先生がたは指導に熱心であり、多くの支援者もあたたかく、中学校と農家共々農の魅力を感じ取っているようであった。

(佐藤 直 記)

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問い合わせ先:
亀岡市立別院中学校
各学年1学級 全校生徒81名、教職員17名
所在地 〒621-0111 京都府亀岡市東別院町南掛一の坪1番地
電話 0771-27-2354  FAX 0771-27-3380

 

地区でグループをつくって地元の山で山菜採り

 4月の新学期が始まって少したった26日の朝、体操服やジャージを着て長靴をはき、軍手と弁当を持った中学生が家を出る。この日、別院中学校では、まる一日を使って全校生徒81人が「山菜採取活動」に取り組む。

 学年ごとではなく、地区の通学班ごとにまとまってグループをつくる。それぞれのグループが自分たちの地区の山に入ってワラビやゼンマイ、フキを採る。グループは少ないところで3人、多いところで10人ほどになる。これに先生のほか地区委員や地域の協力者などが加わる。

 朝8時45分に現地に集合し、9時に山菜採りの開始となる。先生の指示で休憩もとりながら作業する。初めてこの活動をする1年生はどれを採ったらよいのか見分けがつかないことがある。そんなときに3年生が「これを採ったらいいよ」と教えてあげる。山菜採りは新1年生が地域の上級生といっしょに活動できる機会でもあるのだ。

 昼の弁当も現地で食べる。その後も、山菜を採ったり、それを種類ごとに分け、出荷をするために束にしてしばったりする。

 午後2時30分には現地解散(ただし、学校に近い生徒たちは一度学校に来てから解散)となる。そして、先生たちが山菜を学校へと運ぶ。この日は全体でワラビ75束、ゼンマイ38束、フキ205束を採取することができた。

都会の消費者に向けて出荷

 こうして集まってくる山菜は、校区のなかの農産物出荷グループ、別院丹波会の集荷所に先生が持ち込む。ここでは地域の農産物を都会の共同購入グループなどに販売している。この日の山菜の売上は4万円になり、それが生徒会の活動費となる。

 山菜採取の目的は、
・豊かなふるさとの自然を認識し、自然に親しむとともに環境問題も考える
・勤労生産学習を深め、勤労の大切さを体験する
・縦割り集団(通学班)の団結力を高める
と多面的なものになっている。生徒たちは、なにより地域には自然の生み出す宝があることを山菜採取によって実感していく。

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別院中学校

総合的な学習の時間で農業に取り組む

 亀岡市は京都、大阪の中心への通勤圏である。東隣が京都市で、大阪府とも境を接していて、峠を越せば、池田市、茨木市、高槻市に車なら20〜30分で行ける。学校は山間部にあるけれど、住宅団地が造られてきて、農家の子どもよりもそれ以外の子どものほうが多くなっている。

 別院中学校では全学年が総合的な学習の時間で「ふるさと学習」の一環として農業に取り組む。先生たちが連携をとりあって体制をつくり、農業の学習活動がすすめられている。

 学校のすぐ隣に学校農園があり、野菜などを栽培している。ここはもともと田んぼで耕す人がいなくなり、管理を引き受けていた細見審治さん(大正15年生まれ)の好意で10年ほど前から貸してもらっている。細見さんは「家から少し離れている田んぼなので、だれか耕してくれたらうれしい」と思っていたのだ。平成12年に総合的な学習の時間が始まると、米の栽培を始めるために、同じような状態だった隣の田んぼも借りることができた。これで学校農園の面積は倍の7aに広がった。では、学年ごとの取組みを見ていこう。(続きを読む

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細見さん夫妻

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