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育てよう

■ たねの準備

 作る作物が決まったらたねを用意します。栽培する広さに応じたたねの量を考えます。たねは容量や粒数で販売されています。

 たねは種苗店・園芸店・JA店舗・ホームセンター・インターネット・農家などで購入することができます。たねは主に購入するわけですが、地域固有の品種は農家を訪ねることで見つけることが出来るかも知れません。

 同じ作物でも品種によって播く時期が決まっているものがあります。たねの袋に表示されているまきどき、収穫期、栽培の留意点をよく読んで購入します。

 使い残りのたねは乾燥状態を保ち保管することで次年度も使えます。

たねの袋

たねの袋の読み取り方
・○○交配
 一代雑種(F1)のこと。市販されているたねのほとんどはF1。多収で生育が良く品質が一定で病気にも強い性質を持ちます。たねを自家採種しても同じ品質の野菜ができません。
・まきどきと収穫期
 地域によって違います。トンネル栽培などで保温する場合は、種まきや定植を早め生育期間を伸ばすことができます。
・たねまき時の注意
発芽温度を確認します。
・栽培の要点
 追肥のタイミング、病害虫の抵抗性、枝の張り方、収穫適期についても確認します。
・発芽率
発芽率の低いものは、たねを多めにまきます。

 たねは作物の生育過程を考えてまき方を変えます。発芽後の間引きや移植のことも考えます。畑に直接まく場合と苗を育てる場合があります。

■ たねをまく場所による違い

じかまき

じかまき
 たねの大きいものや移植をきらう作物は、直接畑にまきます。根菜類はじかまきです。

箱まき

箱まき
 苗を育てる時には、持ち運びできる程度の箱に培養土を入れてたねをまきます。その後ポットなどに移植します。

ポットまき

ポットまき
 ポリポットにたねをまく方法です。ポットに培養土を詰めてたねをまきます。一粒まきで発芽後の間引きを省略することもできます。

■ たねのまき方の違い

ばらまき

ばらまき
 粒の小さなたねのまきかたです。極小さなたねは乾いた砂に混ぜて一緒にまくと、ムラになりません。

すじまき

すじまき
 整地したところに溝を付け、すじ条にたねをまきます。間引きがしやすく生育をそろえることができます。

点まき

点まき
 株間を広く取る作物のまきかたです。一株の中で間引きしやすいように、たねの間隔は1〜2離します。

■ たねの発芽を良くするために

水分
 たねは保管が効くように良く乾燥しており、水分を含むことで発芽しはじめます。たねの殻の性質によって発芽に必要な水分状態になるまでの時間が違います。固い殻をもつものは吸水に時間がかかります。また温かい水ほど吸収が早くなります。
 たねまきの床にかん水をする際はじょうろのハス口を上向きにし、シャワー状で静かにかけます。強くかん水をすると土の表面がかたまりやすく、発芽に影響があります。発芽までは表面を乾かさないようにこまめにかん水します。
 午後遅くなってからのかん水は、土の温度を下げてしまうのでひかえます。土の表面がひび割れするようなときは、静かに固まりをくずしてください。たねまきの深さが足りず土の水分が少ないと、たねの殻をつけたまま発芽することがあります。

温度
 発芽適温は作物によって違いますが、おおむね20℃以上が必要です。温度が低すぎると発芽しません。また低い温度では発芽が遅れ、病害虫に侵されやすくなります。40℃以上の高温でも発芽障害を受けて芽が出ないことがあります。発芽まではたねの位置で地温を測りましょう。発芽後は生長点の場所の温度を測り、それぞれの生育適温に併せて管理します。
 寒い時期のたねまきは、30℃くらいの温水をかけると地温の確保に効果的です。作物の中には日中と夜の地温に差を与えると発芽しやすい作物があります。

深さ
 たねの大きさによってたねをまく深さは変わります。おおむねたねの大きさの3〜5倍が標準です。まき溝を平らにして、覆土が一定の深さになるようにすると発芽がそろいます。レタスは発芽に光が必要で、そのような特性のたねは浅くまきます。

発芽まではたねの位置で地温を測ります。まき床が平らだと、覆土の厚さも一定となり発芽が揃います

■ 発芽

 発芽までの日数は作物によって違います。2〜3日で出てくるものや1週間以上かかるものもあります。たねが発芽してからは、光をたくさん受けられるように管理をします。温度は生長点のところで測るようにします。

 幼い芽は土壌水分の過不足で病気にかかることがあります。天気を予想しながら、夕方に土の表面が乾く程度が最適です。

キュウリの発芽 生長点の温度 殻をつけたまま発芽

キュウリの発芽

生長点の温度

殻をつけたまま発芽

■ 間引き

 苗の葉と葉がふれあうようになると間引きをします。間引きの対象になる苗は、生育が遅すぎるもの、茎が伸びすぎているもの、子葉の形が悪いもの、病害虫に侵されたものなどです。

・トマトの苗

・スイートコーン

・カブとほうれん草

トマトの苗。子葉が枯れている。間引きの対象 スイートコーン。右の苗を残す カブとほうれん草。間引きが遅れた状態

子葉が枯れている。間引きの対象

右の苗を残す

間引きが遅れた状態

■ 苗作り

 ダイコンやニンジンと言った根を食べる野菜を除く作物の多くは、苗を育ててから畑に植える方法があります。苗を育てることを「育苗」と呼びます。

 ポリポットなどを使う苗づくりでは、間引きや移植の回数を減らすことができます。作物の種類によって育苗期間が違います。育苗期間が長くなるほど、容量の大きなポットが必要となります。

苗作り01

 2、3週間の育苗には容器の直径が5〜10センチのポットを使います。
 3〜6週間かかる育苗には10〜15センチの大きめのポットを使うのが良い苗を作るのに必要です。
 ポットの底には水が抜ける穴があります。苗が大きくなるとその穴から根が伸び出すことがあります。それを防ぐためポットは地面から離して置くことが必要です。

苗作り02

 標準より小さなポットを使い育苗期間が長くなると、ポットの中では根が行き場を無くしぐるぐると巻き付き固くなります。そのような苗を「老化苗」と呼びます。そうすると苗は弱り定植後の生育に悪影響がでます。育苗期間を守り、大きめのポットで育苗することが大切です。

 ポットに詰める培養土は育苗期間中に使われる養分が含まれています。しかし条件によって苗の養分が少なくなったときには追肥を与えます。水に融かす液肥が便利です。
 ポット育苗では苗がポットの大きさを上回ることがあります。隣の苗と葉と葉がふれあうようになると、日当たりや風通しが悪くなり茎が伸びすぎひ弱な生育となります。それぞれのポットの位置を離すことで葉全体に日光が当たり、丈夫な苗を作ることが出来ます。

苗作り03 苗ずらし 苗作り04

■ 定植

 苗ができあがるといよいよ畑に苗を植えます。この作業を「定植」と呼びます。人の手で管理された場所から、厳しい外の世界に生育の環境を移します。植えつけの一週間前から、定植する場所の環境に慣らしていきます。病害虫に侵された生育の悪いものは植えません。丈夫な苗を選びます。

 植えつけは天気の良い日を選びます。曇りで気温が低いときや、雨のあと畑が湿っている状態では植えつけしません。植つけるときはポットに十分水を含ませます。

 うねに必要な大きさの穴を掘ります。葉や茎をいためないように静かに根の部分をかかえて植えます。根本が隠れるほど深く植えてはいけません。浅く植えるのがコツです。苗が老化気味で根が固くなっているときは、手でほぐして植えます。

定植01 定植02 定植03

 トマトなど実が同じ方向に付く作物は、植える方向をそろえるとあとの手入れが楽になります。露地に植えつけた場合は雨の跳ね返りを防ぐために、苗の根もとにワラなどを敷くと良いでしょう。

■ かん水

 生育中の作物に水を与えることを「かん水」と呼びます。畑のかん水は天候の推移を見て適度に行います。寒い日が続くときや雨が多いときはかん水をひかえます。気温が高く干ばつ気味のときはかん水を増やします。土の表面が乾いている状態でかん水します。

かん水1

 作物の生育に適した土壌の水分は、手のひらで握った固まりが軽く崩れる程度が最良です。

かん水2

 如雨露を使いシャワー状にしてかん水します。広い畑ではホースを引きかん水することがあります。

■ 支柱立て・誘引

 背の高くなる作物やつる性の作物は、生育が進むと自力では立つことが出来なくなります。支柱をそえて茎を結び倒れるのを防ぎます。支柱は竹やプラスチックの被覆をした鋼管製のものがあります。作物の背の高さや大きさに応じて、いろいろな長さや太さのものがあります。しっかりと地面に差して茎を結びます。茎と支柱は8の字にすき間をあけて結びます。麻ひも、ビニール紐、専用の紐もあります。支柱を立てた数株の苗をまとめてピラミッド状にすることで、風などで倒れにくくなります。トマトなどは重い果実が実るので、丈夫に支柱を立てることが必要です。

支柱立て・誘引01 支柱立て・誘引02 支柱立て・誘引03

■ 摘芽・摘芯

 作物は季節と共に茎を伸ばし、葉を展開しながら成長を続けます。作物の葉の付け根には新しい生長点(わき芽)が出てきます。このわき芽を取ることを「摘芽」と呼びます。作物によってはわき芽を伸ばしながら収穫量を増やす栽培方法があります。しかし余分なわき芽が大きくなりすぎると、栄養を奪い風通しの悪さで作物の生長に悪影響を与えます。小さなときに取ることが必要です。小さなときは手で取ることが出来ますが、大きくなり過ぎたわき芽はハサミやナイフを使います。本体の茎を傷つけないように作業します。

わき芽 摘芯

わき芽

摘芯

 果菜類の栽培でこれ以上実を付ける必要が無いときは「摘芯」をします。実の付いている所から生長点にむかって数枚の葉を残して芽を摘み取ります。摘芯をすると下位のわき芽が伸びやすくなるので注意します。摘芯をすると養分は残された果実に届きやすくなるため実りが早くなることがあります。

■ 中耕・培土

 作物の畝間や株間を耕す作業を「中耕」と呼びます。雑草取りや作物の根の呼吸を促すために行います。作物を畑に安定させるために株もとに土を寄せることを「培土」と呼びます。ジャガイモの栽培では芋のなる空間を増やすためにもたくさん土を寄せます。

中耕・培土1 中耕・培土2

■ 追肥

 作物の生育の状況によっては土壌の栄養分が足りなくなることがあります。足りない養分を補うことを「追肥」と呼びます。効き目を良くするために即効性のある化成肥料や液肥を使います。

 追肥は根が伸びる先にあたえるのが効果的です。追肥をしたあとはかん水をします。

■ 除草

 畑によってはいろいろな雑草が生えます。基本的に小さなうちに取り除きます。雑草を残すと作物と養分の奪い合いが起きることがあります。風通しの悪さから病害虫の発生源になることもあります。雑草取りは天気の良いときにします。再び根が付くのを防ぐためと、土の団粒構造を壊さないためです。

 雑草の取り方にはいろいろな方法があります。

1.鍬などで削り取る
 鍬などを使い雑草の根際を切るように浅く削り取ることがコツです。作物が大きくなったときに深く鍬を入れると作物の根を切ることになるので注意します。
2.手で抜く
 雑草が大きくなると手で抜くことになります。作物の側に大きな雑草を残した時は、無理に抜こうとすると作物の根を傷つけるので気をつけます。根が付いたままで湿った地面に置くと再び根付いてしまうことがあります。
3.土で埋める
 ジャガイモ栽培などでは作物の根際に土を寄せることがあります。その際雑草を寄せた土で埋めてしまうことでも除草になります。
4.マルチ栽培
 マルチ栽培で除草効果を上げるには、光を通さない色の濃いものを使うことが必要です。

 小さな雑草はそのまま畑の上で枯れさせます。取った雑草をたくさん畑の中に置くと病害虫の発生源になります。大きな雑草は、乾燥させてから集め堆肥の材料とすることが出来ます。

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