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食農体験研修から「触れあい」の大切さを学ぶ

● 県立菖蒲高等学校U教諭

 4月から新採用となり、県立菖蒲高校でスタートを切った私の教員生活も間もなく一年が過ぎようとしている。振り返ると慌ただしくもあったが、多くの事を学ばせていただいた一年であり、とても充実した日々だった。

 特に、初任者研修は、生徒との接し方や指導法などに不安を感じることが多かった私にとって、大変心強い内容であった。

 中でも、機関研修で参加した「施設体験研修」から学ぶことが多く、今なお、私の心に強く残っている。

■ 食農体験研修

 「楽しい!この体験で感じた喜びや発見を生徒にも体感してもらいたい!」施設体験研修で久しぶりに自然と触れあった私は、素直な気持ちでこう思った。

 この日は「食農教育」を体験する研修であった。6月の強い日差しの中、頭に帽子を被り、首にはタオルを巻き、汗だくになりながら「ナス」の栽培管理法について学んだ。

 「食農教育」とは、人が生きる上で必要な「食」と、それを生産していく「農」とのかかわりを、実践的な体験をとおして学んでいく教育活動である。私は家庭科教員であり、教科の特性ゆえ、食と農の大切さについては日ごろから生徒たちに伝えてきたが、食物の栽培管理については何ら知識・技術を持っていなかった。しかし、指導者の方々から丁寧な指導をいただいたことで、栽培の基礎的な知識と技術を習得することができたことを嬉しく思う。

 さらに、この研修で私は、教員として決して忘れてはならない大切な気持ちを再確認することができた。

 植物を育てるためには、日常的に手をかけてやる必要があり、地道な努力を要する。この努力があるからこそ、喜びや感謝の気持ちが生まれ、人は成長していく。このことは、生徒という一人の人間を相手にしている教育活動においても同様であることを感じたのである。ちょうどこのころ、日々の業務に追われ、生徒一人一人と触れ合うことを怠りつつあった私にとって、この施設体験研修は色々な意味での「触れあい」の大切さを学ばせていただいた貴重な時間であり、大変有意義なものとなった。

 体験学習は教育活動の基本であると私は考えている。成功や失敗を重ねながらも、自ら体験し、得た知識や技術は、机上で得たそれよりもずっと深く理解でき、心に残るだろう。

 この研修で学んだ体験学習の素晴らしさを生かすために、今後は教科指導においてもできるだけ体験学習を取り入れていこうと思う。

 教科の特性を十分に生かし、体験的な指導を行っていくことで、彼らの生活の中に豊かな経験を積み重ねていきたい。そして、経験から生まれる喜びや発見、心の成長を見守っていけたら、教員としてどんなに嬉しい事だろうと改めて強く感じることができた。

 終わりに、貴重な研修の機会を与えてくださった県立総合教育センターの先生方、また、本校の校長をはじめ、指導してくださった先生方に、心から感謝を申し上げたい。先生方からいただいた温かい御指導・励ましを心の支えにし、今後も研究努力を重ね、人間的魅力のある教員を目指していきたい。


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