【一覧に戻る】

3 農業体験受入農家・団体実態調査

7 有限会社くぼ観光農園

(1)受入場所に関する一般事項

ア)最寄り駅
 JR津山線金川駅金川駅よりタクシーで10分。
 自動車の場合は、山陽自動車道岡山インターから30分。

イ)体験メニュー
 農業体験学習受け入れ(主として果物の収穫体験)

ウ)地域の特色
 岡山市の北部に位置する内陸の町で、吉備高原の最西南端にあります。標高200〜500mの山地で、土地の約76%を山林が占めているため、集落は川(道路)沿いの平場に開けています。気候は瀬戸内式気候に属し、夏は比較的雨が少なく、冬は温暖で積雪を見ることはほとんどありません。
 主要産業は、県営及び町営の工業団地の企業による工業と、その瀬戸内式の穏やかな気候、豊かな自然の恵みを受けた農林業。特産物としては、山の芋やシイタケが県下でも有数であり、また、ぶどうを始めとする果物の生産も盛んで、「フルーツの町」をうたい文句に内外にアピールしています。

エ)組織の属性等
 代表者:藤原 健二(フジワラ ケンジ)有限会社くぼ観光農園代表取締役
 担当者:藤原 健二(フジワラ ケンジ)有限会社くぼ観光農園代表取締役
 団体の属性:農業法人
 連絡先:〒709-2136岡山県岡山市御津紙取工久保2688
  TEL:0867-26-0511
  FAX:0867-26-0577
  E-mail:fujiwara@kubofarm.co.jp
  URL:http://kubofarm.co.jp
 農業体験学習支援の内容:体験学習受け入れ
 受け入れ可能な人数:1日50人(団体旅行の場合は一団体500名程度まで対応可能)

(2)受け入れ場所(組織)の特色に関する事項

ア)交通の利便性
 岡山県を南北に縦断する国道53号線及びJR津山線により連絡されます。山陽自動車道岡山ICまでは約15分、岡山空港へは約10分の所要時間で到着と交通の利便性に優れています。

イ)特にユニークだと思われる組織・体験メニュー等
 観光農園であり、果物の収穫体験は8月下旬から11月下旬まで楽しめます。他には芋(サツマイモ)掘り(9月上旬〜10月下旬)や、しいたけ狩り(9月〜5月)も。なお、市民農園(貸農園)も募集しています。
 その他としては、杉林キャンプサイトやサワガニの棲む清流を楽しむこともできます。

(3)問い合わせ事項の内容等

 いつどんな果物が収穫できるかの問い合わせが旅行社からあります。電話での問い合わせが多く、子どもたちの社会見学(遠足)を計画する旅行社からは、安全性及びトイレの有無等についての照会もあります。
 小中学校からの問い合わせに対しては、下見を兼ねて事前打ち合わせをお願いしています。
 岡山市に隣接する吉備中央町に国立青少年自然の家があり、そこでの各種体験学習の帰りに果物の収穫体験を行いたいとの照会が多く寄せられます。

(4)利用者の声

 ぶどうの女王といわれる「マスカットオブアレキサンドリア」種のもぎ取りに感動してくれます。また、ベリーA、ニューベリーA(種無しぶどう)、ニューピオーネ(種無しぶどう)は手軽に品種の違いを実感することができ、小・中学生からは家族と一緒に再度訪問したいとの声もあります。
 家族連れの方からは、今年も来ましたよと、気軽に話し掛けてくれ、昨年一緒に来てくれた子どもさんの成長振りには驚かされる事が多いです。

(5)学校の先生の声、要望等

 安全性の確保及びトイレの有無、他のメニュー(例えばいも掘り)との組み合わせでの体験の可否、参加者全員へ説明できる広場の有無、雨天時の対応等の問い合わせに対して、学校側へは事前打ち合わせ(下見)をお願いしています。

(6)意見交換

ア)観光農園開設の経緯について
 昭和30年代の後半からくり拾い農園を開設し、その後ぶどうのもぎ取り直売を始めました。さらに、キャンプ場、遊休農地を活用した市民農園を開設し、水田や山林と清流に囲まれた緑豊かな農園の雰囲気を満喫できる体験の場として整備しています。

イ)農業体験学習の実施率が低い中学校(中学生)向け実施メニューの提案について
 当農園での体験は果樹の収穫体験が主体であり、小学生・中学生を意識した受け入れを行っているわけではありません。ぶどう狩りのみの体験では、所要時間は1時間程度であり、1度の収穫体験で、ぶどう栽培の全体を理解することは不可能ですが、果物の収穫の喜びを通じて農業への理解が少しでも深まり、農業の大切さを体験してもらえれば良いと思っています。

ウ)当園での研修生の受け入れについて
 一般消費者等を対象とした観光もぎ取り客の受け入れのほかに、代表者(藤原健二)が岡山県就農アドバイザーとして登録されていることもあり、農業法人協会の研修の受け入れや、学生(夏季に2週間程度)、農大生等新規就農を目指す者の研修を受け入れています。  小学生・中学生が、当園での農業体験をきっかけにぶどうの栽培に挑戦したいとする者が現れれば幸いです。小中学生だけでなく、新たに農業を始めたいとする者は大歓迎。

エ)市民農園の開設について
 当農園では遊休農地を開墾し、都会の消費者に市民農園として開放しています。各区画の作物の生育等の様子は定期的にデジタルカメラで撮影し、映像情報としてインターネットで公開しています。

オ)産地直売所の開設
 地元特産の「マスカットオブアレキサンドレア」や「ニューピオーネ」「白桃」「桃太郎ぶどう(皮ごと食べられるぶどう)」などを産地直売価格で提供。他にも地元の新鮮野菜や漬物などの他に地元産米を水車でゆっくりと精米し「水車米」として販売しています。

カ)通信販売の開始
 岡山の特産物を電話やインターネットで通信販売しています。扱っている品目は、岡山の白桃、岡山特産ぶどう各品種、岡山特産のなし各品種、生産者直出荷ギフトフラワー(シンピジューム、デンドロビューム、バラの花束、シクラメン)、水車米、地元特産のやまのいも等となっています。シイタケ(菌床)栽培セットの販売は、栽培したシイタケの大きさを競うコンテスト(賞金あり)を実施し、商品販売後も消費者と交流を保っています。

キ)農園の今後の方向等について
 全体で約6haでありますが、約半分は借り入れ地です。当地域でも農家の高齢化が進み、遊休農地が増えています。貸し手はいるが借り手がいないというのが現状です。
 当面は現状維持となりますが、新たに桃太郎ぶどうのもぎ取り園を計画しています。
 現在の従業員は、正社員4名。他にパート雇用が2〜30名です。来客の多い時期には、来客対応等のためパートを増員しています。

ク)インターネットの活用について
 インターネットホームページでは、くぼ観光農園の現状を分かりやすく説明しています。オンラインショッピングでは、地元の自信のある確かな商品を紹介しています。商品のクレームや代金のトラブルはいまのところありません。

(7)受け入れに関して特に留意(注意)していること

 家族を含め一般消費者を主体に、幼稚園・保育園児、小中学生も受け入れています。そのため、事故防止にはとくに注意を払っています。例えば、ぶどうの収穫用のハサミは専門家の使うものではなく、子どもたちが普段使い慣れている文房具のハサミを用意しています。また、当農園では事故防止に努めていますが、来園者に万が一の事故があった場合に備え、不特定多数を対象とした傷害保険に加入しています。小・中学校とは事前打ち合わせ(下見を含め)を行なっています。
 なお、雨天時対応として、ガラス室内での説明及び収穫を準備しています。

(8)調査員の所見

 「マスカットオブアレキサンドリア」を中心とした岡山県でのぶどう栽培の歴史は古く、栽培技術の水準は高いレベルにあります。しかしながら、果樹栽培の先進県である岡山県でも農家の高齢化や後継者不足等で、岡山特産のマスカットでさえも栽培農家は減少しているのが現状です。
 このような背景の中で、くぼ観光農園の藤原健二氏は、自らの農業経営を維持発展させ、地元特産の「マスカット」を始めとしたぶどう狩り、芋掘りなどの味覚狩りや地元特産物の直売を通じて、消費者との交流を図りながら農地の遊休化を防いでいます。同時に、耕作放棄地を借り受け、開墾のうえ市民農園として提供するなど、地域農業のトップランナーとして活躍されています。また、岡山県就農アドバイザーとしても登録され、新規就農を目指す者に対しての支援活動も行っています。
 一方、くぼ観光農園は、岡山市農業協同組合をはじめ(社)岡山県観光連盟、全国観光農業経営者会議、(社)日本農業法人協会、岡山県経済連果樹研究会など各種団体に積極的に加入し、自己研鑽に努めると同時に各種団体との連携にも努めています。今回新たにくぼ観光農園の宣伝用パンフレットが作成されましたが、これには地元JAの全面的な協力があったとのことでした。
 インターネットホームページでは、農園の案内やオンラインショッピング、市民農園の案内などがのせられています。また市民農園の各区画を定期的にデジタルカメラで撮影し、生育情報を映像情報として公開しており、その利用に貪欲なほど積極的です。ちなみに、2003年には全国農業経営者協会、全国観光農業経営者協会主催の「農業経営者ホームページコンテスト」(テーマ『行きたくなる農場、食べたくなる農産物のホームページ』)では最優秀賞を受賞しています。

最優秀賞 くぼ観光農園(□サイト運営内容□)
【サイトの目的】 年々団体旅行の集客が減る状況で、個人客の集客が、課題となっていた。 インターネットが一般に普及するようになり個人客集客のための広告媒体 として活用。
【運営で重視している点】 ページを見た方に「行ってみたい」と思って頂けるよう心がけている。来園 頂いたお客様の写真や感想をトップページに掲載し、人気(ひとけ)のある よう演出したい。
【ページ開設の効果】 ページ開設前と比較し約20%アップ
【取引先、顧客の拡大】 個人顧客数は開設前と比較し約20%アップ。BtoB取引の件数も増加。
【消費者理解、交流の進展】 ページに掲載させて頂いたお客様を通して、お友達も来園してくれるな ど、個人のお客様との接点が次第に増えて来ている。
【ページ更新業務体制】 ページ企画・製作・更新まですべて社内で対応。

全国的な傾向として、有名な観光地であっても、団体旅行客の減少と、通過者(客)が悩みの種と言われて久しいが、くぼ観光農園では、観光バスでの来客は新規の客が多いそうです。観光バスでの新規の客が、次回には家族連れで、その次は友人の家族とリピータとなって訪れてくれるような一層魅力ある観光農園となることが望まれます。今後とも積極的な情報の公開等を通じて、さらには消費者及び地域住民との連携の下に、くぼ観光農園が地域農業の拠点となり、地域全体がさらに発展することを願っています。


▲このページトップ 【一覧に戻る】
 
このコンテンツのすべての画像、文字データについて無断転用・無断掲載をお断りいたします