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3 農業体験受入農家・団体実態調査

10 蒜山酪農農業協同組合育成牧場

(1)受け入れ場所に関する事項

ア)最寄り駅
 JR岡山駅から車で、岡山自動車道、中国自動車道、米子自動車道を経由し1時間30分。
高速バス利用の場合は、岡山駅から中鉄バス蒜山高原行き、約3時間40分。

イ)体験メニュー
 ジャージー牛の搾乳、飼育管理等酪農体験学習全般。

ウ)地域の特色
 蒜山高原は、岡山県北部に位置し、鳥取県との県境にそびえる標高1,202mの上蒜山の裾野に広がる広大な高原地帯。この地帯では、昭和29年からジャージー牛が飼われ始め、現在では日本中のジャージー牛の四分の一を占める2,500頭が飼育され、ジャージー牛の産地として全国でも有名です。ジャージー牛の乳製品の他には、大根、トマト、キャベツなどの高原野菜や米などが栽培されています。

エ)組織の属性等
 代表者:長綱 元昭(ナガツナモトアキ)蒜山酪農農業協同組合代表理事組合長
 担当者:小谷 明伯(コタニ アキノリ)蒜山酪農農業協同組合
 生産課課長(牧場担当)
 組織の属性:酪農専門農協
 連絡先:〒717-0501 岡山県真庭市蒜山中福田958
 TEL:0867-66-3645
 FAX:0867-66-3647
 E-mail:jersey@hiruraku.com
 URL:http://www.hiruraku.com
 農業体験学習支援の内容:酪農体験学習受け入れ、夏(蒜山)大根の収穫作業
 受け入れ可能な人数:1日100人。多人数の場合は2〜3班に分けて実施。

(2)受け入れ場所(組織)の特色に関する事項

ア)交通の利便性
 岡山県北部の鳥取県境に位置する高原地帯のため、電車・路線バス等の公共交通機関利用では不便です。しかし自家用車あるいはレンタカー等を利用すれば、岡山から約1時間30分、大阪からも約3時間と日帰りも可能です。
 また、近くにはホテル・旅館等の宿泊施設、スポーツ施設、観光施設、名所などが多数あり、宿泊であれば各種体験が楽しめます。

イ)特にユニークだと思われる組織・体験メニュー等
 蒜山ジャージーランドには、乳製品工場(見学)、レストラン(約100席)、ライディングパーク(馬10頭、ポニー3頭)、牧場(ジャージー種約500頭)、天気の良い日は屋外で弁当を広げられる開放草地等楽しめる施設がそろっています。また、各施設を利用してさまざまな体験ができます。

(3)問い合わせ事項の内容等

 旅行社からどんな体験ができるかの照会があります。学校等に対しては酪農教育ファームのパンフレットを送り事前学習をお願いしています。
 小学生の親子で3〜4日間で体験学習をしたいとの照会に対しては、当牧場には宿泊施設はないので一般の民宿等を利用してもらうこととしています。

(4)利用者の声

 ほとんどの学校から校長や担任からの礼状とともに生徒個々の礼状(感想文)をいただいています。
 例えば先生からは、「ジャージー牛の大きさや子牛のかわいらしさにびっくりしたり、うれしくなったりと貴重な体験をさせていただきました。特に牛にさわったり、エサを与えたりできたことは印象深く残っているようです。また、ジャージーランドで飲んだ牛乳の味も思い出の一つになっているようです。お忙しいのにもかかわらず子どもたちの相手を気持ちよくしてくださり、本当にありがとうございました。子どもたちも、今回の蒜山での楽しく貴重な体験の裏にはたくさんの人の善意によってなりたっている部分が多いことを感じていると思います。・・・・」
 また、生徒からは、

 「ジャージー牛の話をして下さってありがとうございました。ふだんできない牛にエサをあげたりさわったりできてとても楽しかったです」(4年生女子)。
 「牛をさわるのがにがてだったけど、牛にさわれてよかったです。また牛にさわってみたいです」(4年生男子)。
 「わたしはちっちゃな牛がとってもかわいかったです。わたしがみたときにせいりをしていた牛がいて牛もせいりをすることがわかりました」(4年生女子)。
 「牛にえさをあげたり、さわらせてくれてありがとうございました。それにぼくに新しいけいけんをさしてくれてありがとうございました」(4年男子)。
 「牛はちょっとこわかったけどいろいろ楽しかったです。牛のことがよく分かりました」(4年生男子)。
 「ジャージーぎゅうにゅうは甘くておいしかったです」(4年生男子)。
 「小さい牛はすごくかわいかったです。大きい牛はえさをやる時にぺロッとなめられてすごくかわいかったです。ぼくは牛の成長が早くてびっくりしました」(4年生男子)。
 「わたしは初めて目の前で牛を見ました。ちょっぴりくさかったけど、牛だなというにおいでした。シャージー牛は、ふつうの牛とはちがって、色や味や、つのの形などがちがう事がよく分かりました。楽しい見学をありがとうございました」(4年女子)。
 「ジャージー牛の赤ちゃんはドッグフードみたいでほかの大人とはちがうのにきがつきました。そしてすごっくかわいかったです。ビデオで赤ちゃんをいっしょうけんめい産んでいる所が見れてよかったと思いました」(4年生女子)。
 「牛のおなかの中にバクテリァが住んでいるということが分かりました。」(4年男子)。
 「牛のふんは約70℃ぐらいあることとメスの牛はつのをとることも分かりました」(4年男子)。
 「ジャージー牛はあんなにかわいいとは思いませんでした。ジャージー牛乳はとてもおいしかったです。こんど、家ぞくでまた、行きたいです」(4年女子)。
 「最初はこわくてさわれなかったけどさわってみるとかわいくて手までなめてもらいました。とくに赤ちゃんの牛がかわいかったです」(4年女子)。
 「牛の耳についている番号が分かってよかったです」(4年男子)。
 「しつもんにも答えてもらって分かった事がたくさんありました。この事を、じぎょうでいかしていきたいと思います」(4年女子)。
 「わたしは、牛が2才で赤ちゃんを生むといわれてびっくりしました。それに、牛の赤ちゃんは、ちょっと大きくてかわいかったです」(4年女子)。
 「女の子や男の子とおしっこをするところがちがうんですね。女の子はしっぽのつけねからし、男の子は真ん中からすると分かりました」(4年女子)。
 「牛の毛は少しあたたかくて、さらさらしてきもちよかったです」(4年男子)。

 等率直な、また、大人が考えてもみなかった感想が寄せられています。

(5)学校の先生の声、要望等

 都市部の消費者グループの見学体験では、ベランダでの野菜作りの肥料として堆肥を持ち帰りたいとの要望があります(自分で袋へ入れて持ち帰る)。
 牛のエサやり体験と、夏大根の収穫体験をセットで行いたいとの希望。かつては畑を借りて当牧場でも蒜山大根の栽培を行っていましたが、栽培時期が難しく、現在は宿泊場所の休暇村蒜山高原から蒜山大根生産農家に依頼して対応しています。

(6)意見交換

ア)酪農専門農協としての体験学習の受け入れについて
 生産現場の対応は生産課(牧場担当)が行いますが、工場見学は工場の担当にお願いしています。一度に多人数が訪れた時は班編成をお願いして、牧場での体験とビジターセンターでのビデオ鑑賞を交代に行うようにしています。

イ)ジャージー種について
 ジャージー種は最も高い乳成分をもつ小型の牛で、牧草を消化する能力び高い牛です。非常に行動的で採食が旺盛。集団性に富み温順で取り扱いやすく、放牧管理に適する等山地向きの牛です。蒜山の牧草資源と、この牛の特徴を生かせる牛乳作りを目指しています。蒜山では酪農家が集中しているので、新鮮な生乳を近距離で集乳することができ、生乳の鮮度が保持されたまま牛乳工場へ搬入できます。乳製品には保存料・着色料は使用していません。豊かな自然の中でしか作ることのできない「本物の味」を自信を持って消費者に届けることができると自負しています。

ウ)「トレイサビリティシステム」の稼動について
 蒜山酪農農協同組合のホームページから、消費者が買い求めた乳製品のパッケージに印字された賞味期限を入力し、「検索」ボタンをクリックすることにより、どこの農場の生乳を使ったか、農場からの集乳日、製造日、生産農家氏名、生産地(住所)、ジャージー牛飼養頭数、給与飼料内容、生産者の声(消費者へのメッセージ)、生産者の顔写真、牛舎の写真、周辺の風景等が調べられるシステムを稼動しました。
 消費者の皆さんに原料乳の生産現場を確認いただけるシステムで、消費者の皆様に蒜酪の製品が一層身近なものになると確信しています

エ)農業体験学習の実施率が低い中学校(中学生)向け実施メニューの提案について
 当組合での16年度の受け入れは20団体1600人程であるが、約3割が中学生である。受け入れ時期は9〜10月、ゆとり教育の時間での体験学習です。
 中学生向けの特別なメニューは用意していませんが、体験学習の実施時期及び時間を考慮し、その都度学校側と打ち合わせを行い、メニューを決めています。
 小学生は、純粋で分からないことは質問してくれるが、中学生は聞きたくても多分質問しないのだと思います。折角の機会を無駄にしないように、当牧場で「何を聞きたいか」、「何を見たいか」の目的意識をもって来られるように事前学習をお願いしています。

オ)田舎の子と都会の子の違いについて
 田舎の子は堆肥を見ると「臭い」と言うが、都会の子は「暖かい、カブトムシの匂いだ」と表現が異なります。都会の子はサイレージの匂いに最初は戸惑うが、牛の大好物だと説明すると、10分もしないうちに慣れ、ほとんどの子が直接手で持って牛に与えることができるようになります。

カ)有害動物と、駆除について
 有害動物としてはいのしし、きつね、たぬきの他に野生化した猟犬がいます。当牧場としてはたぬきの駆除を行っています。ジャージー種は生まれたてがとくに弱く、下痢をして死ぬことがあります。うっかりすると子牛の死骸をたぬきが漁る事があります。
 また、たぬきは人間と共通する病菌をもっていることがあるので、わなで駆除を行っています。一昨年は年間で50頭程捕獲しました。
 その他にはかつて餌付けをしたニホンザルが離れザルとして増えていると聞きます。今のところ当牧場に直接の被害はありません。
 また、マムシに牛の前足が噛まれたが、足は腫れたが牛は死ぬほどではなかった。人間が噛まれた事例は無いようです。

(7)受け入れに関して特に留意(注意)していること

 当牧場を訪れる人たちは、ほとんどが初めての体験で、やさしくわかりやすい説明に努めています。折角遠方より来られるのであり、少しでも蒜山酪農の生産現場を見聞し、理解して帰ってもらいたいと願っています。
 短時間の体験でもあり、効率よく理解を深めてもらうために、牧場(牛舎)へ入る前にビジターセンターで分娩、乳酸菌の働き、乳牛の体の仕組みなどについてのビデオ鑑賞をし、その後でエサやり体験や搾乳体験を行うようにしていま。
 身体障害者も受け入れていますが、当方は少ない人数で対応しているので、充分な付き添いをお願いしています。

(8)調査員の所見

 平成15年に、この地に市乳工場が完成し、牧場・レストラン・牛乳工場・乳製品工場そしてライディングパーク等ジャージーランドとしての基盤が整いました。
 さらに、今回ホームページのリニューアルを機会に乳製品から酪農家の様子を画面で見ることができる「トレイサビリティーシステム」の稼動など、消費者へ向けた積極的な情報開示と情報の発信に取り組み、消費者からも一層の理解と評価を得られるものと思います。
 今回たまたま予約の時間より相当に早く到着し、工場の外観を一周したが、清潔感に溢れていました。
 事務室内も清潔であり、職員も溌剌としていました。対応いただいた小谷生産課課長(牧場担当)も忙しい中熱心な対応を頂きました。
 帰り際に、生徒さんからの礼状があったらお借りしたいとお願いし、岡山市立陵南小学校4年生担当の三宅先生からの礼状と74名の生徒さんからの感想文(礼状)を預かりました。
 最初の質問については、「体験学習の受け入れは、確かに現場としては負担となる。しかし、蒜山地域の集客に結びつき、さらに都市部の消費者皆さんに酪農の現場を理解してもらうために行っている。」との回答を頂きました。
 子どもたち74名の感想文で、「初めての体験、触れることの全てが珍しく、感動しながら学習できた」さらに「質問にも答えてもらって分かった事が沢山ありました」との感想が寄せられ、小谷課長の姿勢どおりに子どもたちなりに蒜酪を理解したと思います。(蒜山のジャージー牛と大根畑の黒土は陵南小学校ホームページ4年生のページで紹介しています。)
 今後とも蒜山ジャージーランドの基本的コンセプトの実現の一助として体験学習の受け入れが積極的に行われるよう願っています。
 なお、願わくば子どもたち用のトイレの増設と身体障害者用のトイレの設置をお願いしたい。

ひるぜんジャージーランドの基本的コンセプト
ひるぜんジャージーランドを中心としたすばらしい景観と、おいしいジャージーの乳肉製品で客をもてなし且動植物や大自然の神秘に触れる「酪農と地球環境」を基本テーマとして改めて人間の幸福を考えるオアシスとし、ひいては地域産業の一端となることを希う。
1ゆったりと見学体験することにより心をリフレッシュ
 (1) 歩道散策
 (2) 製造施設の見学と体験
 (3) 牧場見学とふれあい草地
 (4) イベント&アトラクション
 (5) 眺望の良いレストラン
 (6) モニュメント、植栽、水、テーマ曲、シンボルツリー(ジャージー島の木等)
 (7) 宿泊(ペンション=酪農家、コテージ、その他の施設との提携)
 (8) 各種作品の発表と展示及び交流(ホール)
2自然界の動植物の動き(映像を含む)を知り生命の根源を想像
3製品とサービスの充実
(蒜山酪農農業協同組合* ホームページから転載)


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