第1章 >> 4. 森林・林業の基礎的データ

(2)日本の林業が抱えるさまざまな問題とは

 今、日本の林業はとても厳しい状況に置かれています。国内消費の8割が輸入材に押され、国産材で賄っている木材は2割しかありません。本当は日本の国土を守り、環境にも配慮のできる産業でありながら、産業構造の中での林業は問題が山積しています。

 日本で林業に就業している人数の推移ですが、1990年の約11万人から、5年後の1995年には約9万人に、さらにその10年後の2005年には約6万人にまで落ち込んでいます。その背景には、山間部の過疎化の問題もあります。また、労働に見合う収入が得られない、その上競合する輸入材はさらに低価格で売られている、という経済的な要因も立ちはだかっています。





  林業従事者の高齢化も深刻です。農業・漁業も同様の傾向が見られますが、林業はそれがさらに深刻であると言えます。次世代への文化の継承という観点から見ても、この年齢構成は大きな課題を抱えています。



  結果、多くの林業地では労働力が不足しており、森林は手入れされることなく放置されています。手入れがされていない森林は、大雪や台風が来たら木は根こそぎ倒れる→保水能力が低下するというように、環境面はもとより防災的な観点からも問題を抱えています。一応木は植わっていますから山は緑色をしています。とは言うものの、その実態は「日本の山は荒れている」というのが正確な状況です。
 子どもたちが森林・林業を学ぶことの必要性を考えた場合、これらの観点を外すわけにはいきません。


第1章 今なぜ、子どもたちに森林・林業体験が必要か

1. 子どもたちがイメージする森林と現実の森林の違い

2. 知っているようで実はよく知らない「日本の森林」

3. 学習テーマとして魅力的な「日本の林業」

4. 森林・林業の基礎的データ
(1)林業白書のデータから〜森林・林業の基本をきちんと理解する、理解させる〜
(2)日本の林業が抱えるさまざまな問題とは
(3)見えづらい現実、どうやって子どもたちに興味を持たせるか

5. 世界の環境と日本の森林・林業の深い関係

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